大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和28年(う)3416号 判決

被告人 高橋肇 外

〔抄 録〕

被告人町栄次及び同二宮二郎の弁護人Aの控訴理由は末尾に添附する控訴趣意書と題する書面に記載するとおりであるが、原判示各収賄の事実、就中被告人町栄次の判示物資係長としての職務権限の点についても、原判決の挙示する照応証拠によつて優に証明することができ、記録を調べてみても原判決の認定に誤ある跡を見出しがたい。かりに、海上保安庁の分課規程やその事務分掌規程によれば、判示物資係長の職務権限の中に、灯台用石油の希望納入業者の推せんというがごとき項目がなかつたとしても、右係長には右石油の購入配分計画の樹立という職務権限があるのであるから、右希望納入業者の抽せんというがごときも、おのずから、この職務権限と関連して現実になされていたものと見ることができるので、原判決がこれを右係長の職務権限の中に数えて判示したのは、まさに相当であつて、本来の職務と関連性をもつものも、刑法第一九七条にいわゆる職務に該るのである。従つて、論旨第一点の所論は採用することができない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!